0. 板倉製作所の業務全体像
板倉製作所という会社が「何を作り、どうお金を稼いでいるか」を、実際のシステム(AS/400・Excel資産)を根拠に説明する、この資料群の入口ページ。まずここを読めば、他の15ページがそれぞれ全体のどこを担当しているかが分かる。
- 板倉製作所はプレス加工・組立中心の自動車部品メーカー。主要得意先はアイシン系・デンソープレステック・トヨタ紡織(上位2社で受注の66.3%)。
- 業務は「受注→生産→出荷→請求→入金」の売り流れと「発注→受入→支払」の買い流れの2本。
- AS/400は11の可視サブシステム+隠し1個(MENUR1)構成、最大はMENUJ1受注管理(203本)。
- 新人はまず0→3→5→7→9の5ページを通しで読むと、お金が回る一番太い流れがつかめる。
1. この資料について
1.1 なぜこの資料が作られたか
板倉製作所のオフコン(AS/400 生産管理システム)は長年にわたって運用・改修されてきたが、 「どの業務がどう動いているか」という全体像は、実務の中心にいる特定の担当者の頭の中にしか 無い状態になっていた。担当者が不在になれば、日常のちょっとしたトラブル対応すらできる人が いなくなる——この 属人化 のリスクを解消するため、2026年7月17日の打ち合わせで 「業務フローを可視化し、資料としてまとめた上で、システムと業務の責任を各部署に分割していく」 という方針が決定した。個人の記憶に頼るのではなく、ソースコードそのものに書かれている 業務ロジックをAIが読み解いて資料化すれば、担当者の異動や退職があっても業務知識が失われない ——というのが、この資料群の一貫した狙いである。
1.2 対象読者
次の3種類の読者を想定している。
- 新人 — 板倉製作所の生産管理システムに初めて触れる人。まずこのページから読み始める。
- 引き継ぎ担当者 — 特定の業務を他の人から引き継ぐ立場の人。自分の担当範囲のページを重点的に読む。
- 各部署の代表者 — システム入れ替えに関わる部署代表として、自部署に関係するシステムの全体像を把握したい人。
1.3 どうやって作られたか — 3つの素材から1つの資料へ
この資料は、「担当者に聞いた話」ではなく「システムに書かれている事実」を 一次情報としている。素材は3系統あり、それぞれ別の方法で読み解いたうえで突き合わせ、 1つの業務フロー資料に再構成した。
それぞれの素材が担った役割は次の通り。
| 素材 | 読み解き方 | この資料に与えたもの |
|---|---|---|
| ① AS/400 の RPG/CL ソースコード AS/400 | 全プログラムを1本ずつ読み解いて翻訳仕様書(約230本のドキュメント)にし、 それをもとに Node.js/TypeScript の新システムとして再実装した。移行の過程で 全業務ロジック(入力チェック・採番・在庫計算・帳票の中身)が一行単位で解読済みになっている。 | 各業務の「正式な手順」— 画面の流れ、判定ルール、テーブルの読み書き。本文中の JSBS01 のようなプログラムIDはすべてこの解読に根拠を持つ。 |
| ② Excel/VBA マクロ資産 Excel/VBA | 共有サーバーの全マクロブックからVBAコードを機械的に抽出・全文解読し、 IBM Client Access の転送定義ファイル(.FDF)から「どのAS/400ファイルと つながっているか」を特定した。 | オフコンの外側で回っている業務 — 見積書・請求書・作業指示書の印刷、 自動メール、夜間バッチ、そして「Excel↔AS/400の橋渡しが実は手作業」という 重要な事実群。 |
| ③ 7年分の実データ | AS/400からダンプした51テーブル・約587,000行をデータベースに取込み、 読み取り専用のSQLで集計した(集計SQLは各ページに保存済み=再現可能)。 | 「仕様上できること」と「実際にやっていること」の区別 — 受注の60.8%が試作系、 使われていないフィールド、データが止まった機能、といった運用の実像。 |
最後に ①②③ を突き合わせて業務の流れ順に再構成したのがこの資料群である。 3つの素材が食い違う箇所は隠さず「実データとの食い違い」として明示し、どの素材からも 分からなかったことは「14. ヒアリングシート」に質問として 集約した。つまりこの資料はコードが語る建前・Excelが語る現場・データが語る実績の 三面照合でできている。
1.4 読み方ガイド
全ページで共通のパーツを使っている。初めて見る記号の意味は以下の通り。
| パーツ | 見た目 | 意味 |
|---|---|---|
| バッジ: AS/400 | AS/400 | オフコン本体(RPG/CLプログラム)で処理される業務であることを示す。 |
| バッジ: Excel/VBA | Excel/VBA | オフコンの外、PC上のExcelマクロで処理される業務であることを示す(§4.2参照)。 |
| バッジ: 推測 | 推測 | ソース・仕様書から断定できず、状況証拠から推測している記述であることを示す。断定できる記述とは区別して読んでほしい。 |
| バッジ: 使用停止 | 使用停止 | 過去は使われていたが、現在は使われていない(または到達できない)機能であることを示す。 |
| コールアウト: ポイント | ポイント (例) | その業務を理解する上でとくに大事な事実。 |
| コールアウト: 注意 | 注意 (例) | 間違えると後工程が壊れる、運用上の注意点。 |
| コールアウト: 特殊ケース | 特殊ケース (例) | レガシー仕様に由来する例外的・危険な挙動。 |
| コールアウト: 豆知識 | 豆知識 (例) | 知っておくと理解が深まる補足情報。 |
| 流れ図(縦) | ①②③…の番号付きカード | ある業務が何ステップで進むかを、1つのページの中で順番に示す。 |
| 流れ図(横・ストリーム) | [箱]→[箱]→[箱] | 複数のページ・サブシステムをまたいで進む、お金やモノの流れを示す。箱をクリックすると、その工程を扱うページに飛べる(§3参照)。 |
2. 板倉製作所のビジネス
板倉製作所(Itakura Seisakusho)は、プレス加工・組立を中心とする自動車部品メーカーである。 金属の板(材料)を型で打ち抜き・絞り込んでプレス部品を作り、必要に応じて複数の部品を組み合わせて 完成品に組み立て、自動車メーカー系の得意先へ納品している。
2.1 得意先 — 誰に部品を納めているか
システムのソースコード上で実名が確認できる得意先は、次の3社である。いずれも得意先ごとに専用の 受注・生産指示ロジック(EDI取込、正式伝票処理、品番変換)が個別に作り込まれており、これが このシステムの複雑さの主因のひとつになっている。
| 得意先 | 得意先コード | 専用ロジックの例 |
|---|---|---|
| アイシン(アイシン精機/アイシン安城) | 3〜17(一部除外あり) | 買入明細照合の専用プログラム ITC010R。 |
| デンソー(デンソー機工/デンソープレステック) | 20 | デンソー機工からの生産指示変更データをEDI的に取り込む専用パイプライン(ITJM63R/ITJM64R、通称「DNKデータ処理」)。 |
| トヨタ紡織(略称「TB」) | — | トヨタ紡織専用の正式伝票処理プログラム ITJM36RA。品番コードの略称としても「TB」が使われる。 |
得意先コードの詳しい割り当てや、他のコード体系については「1. マスタとコード体系」で扱う。
2.2 プレス・組付部品というモノづくり
板倉製作所が扱う品番には、大きく2つの階層がある。得意先に納める完成品を表す
「受注品番」と、それを構成する個々のプレス部品を表す「部品品番」である。部品品番マスタ
(bhmp)が材質・板厚・展開周長・板取区分といったプレス板金部品ならではの項目を
持っていることからも、プレス加工が事業の中心であることが分かる。完成品によっては、複数の部品品番を
組み合わせて仕上げる「組付」工程を経て、初めて得意先に納品できる形になる。
2.3 かんばん・EDI取引の世界
板倉製作所の得意先は、いずれもトヨタ生産方式の流れを汲む自動車部品業界の企業であり、注文の受け方も その世界観に合わせて作り込まれている。
- かんばん方式 — 得意先から届く「かんばん」票にもとづき、必要な数だけを繰り返し生産・供給する。社内かんばんマスタ(
kbmp)が入り数などの設定を持つ。 - 内示 — 確定注文の前に、得意先から「来月はだいたいこれくらい必要」という見込み数量が送られてくる。標準在庫マスタが当月・翌月・翌々月の内示数を持つ。
- EDI(電子データ交換) — デンソー機工とは、メールで届く固定長データファイル(DNKデータ)を自動的に取り込み、社内の受注データへ変換・反映する専用パイプラインがある。
かんばん・内示・EDIによる反復入力の実務は「3. 受注」で詳しく扱う。
2.4 数字で見る板倉製作所
2026年7月に投入された7年分のAS/400実データ(51テーブル・約587,000行)から、板倉製作所の 業務規模がうかがえる数字を抜粋する。
| 指標 | 数値 | 補足 |
|---|---|---|
| 実データの期間 | 2010年1月20日〜2026年6月29日 | 受注データ45,545行のうち99.8%(45,470行)がこの範囲。残り75行は1899年・2052年など発番前のダミー日付 |
| 受注データ行数 | 45,545行 | judp(受注データ)の全行数 |
| 部品状況データ | 196,750行 | 複数シートを名寄せしたExcel由来データ(bjdp) |
| 登録品番数 | 16,800件 | 受注品番6,704(jhmp)+部品品番10,096(bhmp) |
| 得意先数 | 142社登録/実働71社 | マスタ(tkmp)142社のうち、実際に受注データ(judp)に登場するのは71社(約50%) |
| 仕入先数 | 497社 | simp仕入先マスタの全行数 |
| 金型管理点数 | 9,527件 | mdmp金型管理マスタの全行数 |
| 設計№点数 | 38,206件 | snmp設計№マスタの全行数 |
出典・集計SQL: 1. マスタとコード体系 §5 実データスナップショットを参照。
3. 2つのお金の流れ
板倉製作所の業務は、大きく2本のお金の流れで成り立っている。売る側の流れ(得意先から 注文を受けて、モノを作り、届けて、代金を受け取るまで)と、買う側の流れ(外部に加工を 発注し、受け入れて、代金を支払うまで)である。この2本の流れが、このあとの「4. システムの地図」 で説明する11+1個のサブシステムの並びにそのまま対応している。
3.1 売る側の流れ(受注→生産→出荷→売上・請求→入金)
3.2 買う側の流れ(発注→受入→支払)
この2本の流れの裏側では、どちらも「1. マスタとコード体系」で扱うマスタ(得意先・仕入先・ 品番・工程・単価などの基礎データ)を共通の土台として参照している。マスタが整備されていなければ、 どちらの流れも動かない。
3.3 ある注文の旅 — かんばんが届いてから入金まで
この2本の流れが実際にどうつながるかを、ひとつの号口部品の注文で具体的にたどってみる。
- かんばん・内示が届く
得意先(例:アイシン)から、量産中の部品についてかんばん票・内示数量が届く。すでに品番・単価は 登録済みなので「1. マスタ」「2. 見積・製品単価」のセットアップは完了している前提。 - 受注データに記録
号口の反復入力パターンで、かんばん・内示の内容が受注データ(JUDP)へ記録される。 詳細は「3. 受注」。 - 作業指示数を計算し、現場に指示
標準在庫や生産計画をもとに「何を・いくつ作るか」が計算され、作業指示書・かんばんが現場に 発行される。詳細は「5. 号口生産・組付」。 - 完成・出来高報告、在庫へ反映
現場での加工・組付が終わると完成入力が行われ、完成品・部品の在庫数が更新される。 - 出荷
完成品が得意先へ出荷される。出荷実績(納入日・納入数・伝票№)が受注データに記録され、 在庫が出荷分だけ減算される。詳細は「7. 出荷」。 - 売上計上・請求書発行
出荷実績の打切区分が「確定」になった行が、その月の売上として計上され、請求書が発行される。 詳細は「9. 売上・請求・支払・経理」。 - 入金
得意先からの入金があり、代金回収が完了する(このあたりの消込処理はMENUR1経理管理サブシステムの 未解明事項が多い領域。詳しくは「9. 売上・請求・支払・経理」参照)。
同じ注文の裏側では、もし外注部品を含んでいれば「外製発注→受入→支払明細→支払」という 買う側の流れも並行して動いている(「8. 外製・仕入」参照)。
4. システムの地図
4.1 11+1個のサブシステム
板倉製作所のオフコン(AS/400)にはメインメニューMENU00があり、そこから
サブシステムに分岐する。可視メニューに載っているのは11個、加えて隠しメニュー1個
(MENUR1)がある。
| サブシステム | 和名 | 役割(一言) | どのページで学ぶか |
|---|---|---|---|
MENUJ1 | 受注管理 | 得意先からの注文を受け付け、出荷・組付の指示書を発行する。11システム中最大規模(約203プログラム)。 | 3. 受注 |
MENUK1 | 技術情報管理 | 品番の新規登録、構成(BOM)、設計№、得意先間の品番対応表を管理する、生産の「設計図」的な情報基盤。 | 4. 技術情報 |
MENUM1 | マスター保守管理 | 得意先・仕入先・品番・工程・単価など29種類の基礎マスタをCRUD(追加・変更・削除・照会)する。 | 1. マスタとコード体系 |
MENUW1 | 号口管理 | 「号口」=量産(型式が確定した継続生産)の作業指示数計算、かんばん発行、出来高報告。 | 5. 号口生産・組付 |
MENUA1 | 組付管理 | 部品を組み合わせて完成品にする組付工程の指示・完成入力・支給品(アイシンからの支給部品)管理。 | 5. 号口生産・組付 |
MENUT1 | 試作管理 | 量産前の「試作」(お試し生産)の作業指示・完成入力・在庫管理。 | 6. 試作・工機・材料・金型 |
MENUB1 | 工機管理 | 金型・治具そのものを作る/直す部門(工機課)向けの作業指示書発行。 | 6. 試作・工機・材料・金型 |
MENUZ1 | 材料・金型管理 | 板金材料の使用実績、金型の保管場所・貸出・廃棄、自動倉庫の入出庫を管理する。 | 6. 試作・工機・材料・金型 |
MENUS1 | 出荷管理 | 完成品の出荷入力、製品単価(得意先向け販売単価)の管理、請求書の元データ作成。 | 7. 出荷(単価は2. 見積・製品単価) |
MENUG1 | 外製管理 | 社外の協力工場への外注加工の発注・受入・支払明細を管理する。 | 8. 外製・仕入 |
MENUR1 | 経理管理隠しメニュー | 仕入先への支払金額計算・振込データ/支払案内書作成。可視メニューには一切表示されず、MENU00の&INPS=50という打鍵専用の秘密分岐でしか到達できなかった。 | 9. 売上・請求・支払・経理 |
MENUX1 | システム管理保守 | オフコン自体の運用(ジョブ投入、印刷装置管理、電源ON/OFF等)。業務ロジックはほぼ無い、IT運用サブシステム。 | (本資料の主対象外) |
4.2 AS/400とExcelの二層構造
オフコン本体の外側に、Excel/VBAマクロで実装された補助業務群が多数ある。これは板倉製作所の システム全体を理解する上で欠かせない、もうひとつの重要な見取り図である。
CWBTF.EXE)による夜間バッチのファイルミラー転送
一本である。すべての業務マクロはこのミラーファイルをWorkbooks.OpenしてCellsで検索するだけで、
AS/400へのライブ接続は一切行わない。転送は01:30〜23:00の間、Windowsタスクスケジューラで日次自動実行され
(AS/400側ソース台帳から転送対象テーブルを自動発見)、マスタ系(得意先・品目等)は全社共有フォルダ
\\Server2\Kanri\AS_Dataへ、明細・トランザクション系(受注抽出等)は各PCローカルの
C:\ITA_PGM\WorkSpaceへと、2種類の転送先が使い分けられている。日次バッチ全体のタイムテーブルは
日次の流れページを参照。06:30の自動メールチェーン(見積単価未入力リスト等)は、実は2段階の仕組みである: ①マクロが帳票と 「メール依頼」レコードを共有フォルダへ書き込んで終了し、②本リポジトリに含まれない別のディスパッチャが そのフォルダをポーリングしてOutlook経由で実送信する。メール本文の「オフコンからの自動送信です」という文言と、 実装(外部ディスパッチャが送信元)は食い違っている点に注意。 (出典: source/as400-admin/VBA_Module/ 全モジュールgrep, AS400転送設定/DATA_TRANS.dtf・ AS400_DATA_TRANSPORT.xlsm, スケジュールタスク/SCD_DAILY_*.bat)
AS/400側で完結しない業務は、Excel/VBA側に「サテライト業務」として存在する。
- Excel/VBA 見積書発行 — 得意先への見積書はAS/400の管理対象外で、Excelブックで完結する(「2. 見積・製品単価」)。
- Excel/VBA 受注票・出荷指示書・組付指示書などの帳票発行 — オフコン側の
BAT0xxx系プログラムがCALL BATCH00でExcelマクロを起動し、帳票の体裁を整えて印刷する「印刷アシスタント」的な役割。 - Excel/VBA 請求書発行・支払案内書作成 — 売上・支払系の帳票の最終整形をExcel側で行う(「9. 売上・請求・支払・経理」)。
- Excel/VBA DNKデータ処理 — デンソー機工とのEDIデータ交換用フォルダ。
- Excel/VBA 材料管理・金型管理・図面整理 — MENUZ1のデータをExcel側で補助的に可視化。
Excel/VBA層は「オフコンのデータをPCへ引っ張り出して整形・印刷・配信する」という一貫した役割を
持ち、AS/400側のCLプログラムからBAT0xxx.XLSMという命名規則で起動される。
各ページの中でAS/400とExcel/VBAの
バッジを見比べれば、どの工程がオフコンの中で完結し、どの工程がExcelに出ているかが一目で分かる。
5. 登場人物・部署
システムのコメントやエラーメッセージ、履歴注記から確認できる実在の部署・役割は次の通り。
| 部署・役割 | 備考 |
|---|---|
| 総務課 | デンソーEDI取込(DNK処理)で異常が起きた際の連絡先としてエラーメッセージに登場する部署。DNK処理の実務に詳しい担当者が在籍する。 |
| 工機課(旧・製造2係) | 金型・治具の製作・補修を担う現場部門。MENUB1工機管理サブシステムに対応。 |
| 試作課 | 量産前の試作生産を担う現場部門。MENUT1試作管理サブシステムに対応。 |
| 製造課 | 号口(量産)の現場部門と推定推測。MENUW1号口管理サブシステムに対応すると考えられる。 |
| 営業担当 | 得意先ごとに紐づく営業担当者。得意先マスタtkmpの営業担当区分列で管理される。 |
| 仕入先/協力工場 | 外注加工先。MENUG1外製管理・MENUR1経理管理の相手方。仕入先マスタsimpが借方・貸方科目・支払条件・振込銀行まで保持する。 |
| 作業者 | 現場の実作業者。号口/組付/試作の実績入力で使われる、作業者マスタsgmpの管理対象。 |
部署の全体像は完全には復元できていない推測。総務課・工機課・ 試作課・製造課・営業以外にも経理課や購買課に相当する実務があるはずだが、部署名としての直接的な コメントはソース上に見つかっていない。
6. ページガイド(読む順番の案内)
この資料は全16ページで構成される。新人はまず0(このページ)→3(受注)→5(号口生産・組付) →7(出荷)→9(売上・請求・支払・経理)という「背骨」を通しで読むと、お金が回る一番太い流れが つかめる。その後、必要に応じて残りのページで肉付けしていくとよい。
| # | ページ | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | マスタとコード体系 | 受注・生産・出荷・請求・支払——どの業務フローも参照する基礎データ(得意先・品番・工程・単価等)と、それを管理する29種類のマスタ、コード体系の読み方を扱う。全業務の「共通言語」にあたるページ。 |
| 2 | 見積・製品単価 | お客様からの引き合いに対して、AS/400の外・Excel/VBAで見積書を作り、承認された金額をAS/400の製品単価マスタ(PRMP)に転記するまでを扱う。見積単価と決定単価が併存する二重構造と、AS/400とExcelをまたぐ「人手の転記」がこのページの要点。 |
| 3 | 受注 | 得意先(トヨタ紡織・アイシン・デンソー機工など)からの注文情報を受注データ(JUDP)へ記録する、生産管理システム全体の「入口」。通常受注・新規/設変受注・デンソーEDI取込という3つの入り方と、入力ミスを防ぐ多段階検証の仕組みを扱う。 |
| 4 | 技術情報(品番・構成) | 受注を受け付ける前に必ず済ませておく必要がある「品番登録・構成(BOM)・設計№」という技術情報の整備業務。得意先ごとに異なる品番体系を相互変換する仕組みも扱う。 |
| 5 | 号口生産・組付 | 受注が確定した後、実際に量産品(号口)を作り、部品を組み立てて完成品にし、在庫に反映するまでの社内生産プロセス。作業指示数の計算からかんばん発行、完成入力・出来高報告までを扱う。 |
| 6 | 試作・工機・材料・金型 | 号口(量産)に入る前の少量試作、その試作や号口に使う金型・治具を作る工機課の作業、材質・板厚の管理と金型そのものの資産管理という、生産を土台で支える3つのサブシステムをまとめて扱う。 |
| 7 | 出荷 | 完成した製品を実際にお客様へ送り出すまでの出荷指示・出荷準備・出荷実績・在庫展開の4段階を扱う。受注データ(JUDP)1行がそのまま出荷まで貫かれ、出荷専用のテーブルは存在しないという設計上の特徴がある。 |
| 8 | 外製・仕入 | 自社でやらない・やれない工程を社外の協力工場に委託する「発注→受入→支払明細作成」までの流れを扱う。部品ごとの内外コードで内製/外注が区別される。 |
| 9 | 売上・請求・支払・経理 | 出荷実績が売上として計上され請求書が発行される「集金」の流れと、仕入先・外注先への代金を支払う「支払」の流れの両方を、経理管理サブシステム(MENUR1)を中心に扱う。MENUR1が2026年7月まで隠しメニューだった発見の経緯もここで扱う。 |
| 10 | システムの一日・一年 | 夜間バッチ・朝イチの異常検知メール連鎖など「システムの一日」と、受注・出荷・支払の年間リズムである「板倉の一年」を、実運用ログとAS/400実データ7年分に基づいて扱う。 |
| 11 | 権限と部署責任マップ | 現行システムの権限(プロファイル)が実際に誰に何を許しているかを実データで示し、システムと業務責任を各部署へ分割していく出発点とする。 |
| 12 | ケーススタディ・特殊ケース | 各業務ドメインをまたぐ具体的なシナリオ、レガシー仕様に由来する特殊な挙動(物理削除・二重の権限チェックなど)、そして現時点で解明できていない事項の一覧をまとめる。 |
| 13 | 隠れメニュー・システム地図 | 見えているメニューの外側——隠れた入口・使われなくなった領域・プログラムとテーブルの対応関係を地図にし、「知らない画面」に出会っても位置づけられるようにする。 |
| 14 | ヒアリングシート | 各ページの「未解明事項」を根本原因ごとに束ね、質問項目を最小化した面談シート。ベテラン社員の記憶を呼び覚ますための一枚。 |
| 15 | 用語集 | 号口・試作・構成・内外コード・かんばん・内示など、オフコン用語を初めて読む人が最初に詰まりやすい言葉をまとめた辞書。読んでいて分からない語が出てきたら、まずここを引く。 |