12. 品質課(検査)
正直に言うと、このページだけは「たたき台」を作れませんでした。8年分・約59万行のデータベースを検査・不良・クレームというキーワードで隅々まで探しましたが、それらしい記録は1件も見つかりませんでした。ですのでこのページは「直してください」ではなく、「一から教えてください」というお願いのページです。
1. いま私たちが理解している流れ(たたき台)
他の部署のページは「AS/400のプログラムとデータから組み立てた想像図」を出発点にしていますが、品質課についてはその材料自体がありません。AS/400の111個のテーブル・約2,500個の列を「検査」「不良」「品質」「クレーム」というキーワードで検索しましたが、該当する列は1つも見つかりませんでした。唯一のヒットは「件数」を意味するkensuという列名で、検査(けんさ)ではなく件数(けんすう)でした。
つまりここから先は、私たちの推測ではなく、皆さんの記憶そのものが唯一の資料です。次の3つの手がかりから、思い出せることを教えてください。
検査は、実際にはどのタイミングで・誰が・何を見て行っていますか?
現品票(出荷時に品物に付ける社内タグ)には「工程」欄があり、工程マスタには「900=検査」というコードが登録されています。しかしこのコードが実際に使われた記録(いつ・どの品番を・誰が)は、私たちが読んだデータのどこにも残っていません。工程として存在はするが、記録は一切残らない、という状態です。
- 受入検査(部品・材料が届いたとき)
- 工程内検査(製造の途中、各工程で)
- 最終検査(完成後、出荷準備の前)
- 出荷前検査(出荷指示が出てから、出荷入力の前)
- 得意先からの戻り検査(クレーム品を受け取ったとき)
- 上のどれとも違う/その都度違う
新システムで「検査」という工程をどう扱うべきか(記録の要否・タイミング)が決まります。
「KENSA」というログイン名で入るとき、実際は何をしていますか?
品質課の共有ログイン「KENSA」に許可されている操作は、システム全体167個のうち10個だけです。しかもその10個はWSBS11(作業指示完成入力)・WSBS41(出来高入力)など全部「号口・試作の完成数を記録する」画面で、合否判定や不良数を記録する画面は1つも含まれていません。つまり私たちが確認できた範囲では、KENSAというログインは「検査をする画面」ではなく「生産数を記録する画面」にしか使われていません。
- 号口・試作の完成数や出来高を入力するために使っている
- 検査そのものの記録は別の紙・Excelで行っている
- KENSAというログイン自体、自分たちは使っていない(誰が使っているか分からない)
- 品質課には個人ごとのPC・ログインがあり、KENSAは使っていない
- 上のどれでもない
2022年8月9日を最後に、「まとめ指示」(複数の号口受注をまとめて1回の組付指示にする仕組み)が途絶えています。これは品質課からの依頼で止まった、と伺っていますが、詳しい経緯を教えていただけますか?
データ上、まとめ指示(kmdp)は2021年12月2日〜2022年8月9日の間に378件記録され、その後8年間ぶん一度も使われていません。「品質課が営業部にまとめ指示をやめてほしいと依頼し、使われなくなった」という業務上の判断だったことまでは分かっていますが、なぜ品質課がそれを問題視したのかという理由は、これまで一度も記録に残っていません。
- まとめ指示だと検査の単位(ロット)が分かりにくくなるため
- まとめ指示だと不良が出たときにどの受注のせいか追えなくなるため
- その他の理由( )
- 品質課ではなく別部署の判断だった/記憶が違う
新システムで「まとめて指示する」機能を復活させるべきか、それとも品質課の懸念を踏まえて別の設計にすべきかが決まります。
2. 一日の流れ
他部署以上に、ここは完全な空白です。検査が製造の後・出荷の前に行われるだろうという想像すらも確信がありません。ふつうの一日を、一から教えてください。
| 時間帯 | やっていること | 使うもの(AS/400・Excel・紙・電話) |
|---|---|---|
| 始業〜午前 | ||
| 午前〜昼 | ||
| 昼〜午後 | ||
| 午後〜終業 | ||
| 締め・月末など |
「これが終わらないと出荷できない」という締切はありますか?
出荷担当は出荷実績を1日1回まとめて入力していることが分かっています(出荷ページ参照)。検査が出荷の直前に必要な工程だとすると、検査がその締切に間に合わなかったときにどうなるのか(出荷を止める?後回しにする?)を知りたいです。
3. この数字、合っていますか
ここに出す数字は「実際の検査業務についての数字」ではありません。検査に関するデータそのものが存在しないので、代わりに「システムのどこにも検査の痕跡がない」ことを示す数字になっています。
kensuのみ。検査の記録(合否・数量・担当者など)は、今どこに残っていますか?
システムに無いなら、紙の帳票、Excel、あるいは「記録せず口頭で共有」のいずれかだと考えていますが、正直どれなのか私たちには分かりません。
- 検査成績書など、紙の帳票に記入して保管している
- Excelファイルに入力している(ファイル名: )
- 特に記録は残していない(見て、その場で判断するだけ)
- 得意先に提出する書類の控えだけが記録として残る
- 上のどれでもない
新システムに検査記録の入力機能をどこまで作り込むべきかが決まります。
品質課の中で、実際に何人・どういう体制で検査をしていますか?
総務が管理する個人別のWindows権限台帳には、品質課の方が個人名で登録されていません。製造・出荷と同様、品質課も「個人の記録が残らない部署」として扱われています。
- 専任の検査担当が固定で 名いる
- 製造の担当者が兼務で検査もしている
- 得意先・時期によって担当が変わる
部品・材料が届いたときの受入検査は、どうやっていますか?
外注先から部品を受け入れる画面(受入入力)には、検収(合否判定)を記録する専用の欄がそもそもありません。さらにヒアリングで、この受入入力の画面自体がほとんど使われていないことも分かっています。受入時の検査が別の場所で行われているのか、それとも行われていないのかを知りたいです。
- 受け入れた部品・材料を必ず検査している(記録は )
- 信頼できる仕入先は検査を省略している
- 受入検査という工程自体がない
- 上のどれでもない
4. システムに残らない仕事
2008年当時のAS/400開発者自身が書き残した文書に、次の一文があります:「在庫の増減は、在庫の入庫出庫では行われず、完成、出荷を基準に行われる。したがって不良等の通常以外の入出庫があった場合の連絡がないと確実に差異が発生してしまう。」つまりこのシステムは設計時点から、不良品にまつわる動き(隔離・手直し・廃棄)を誰かが個別に連絡しない限り、在庫の数字と現物が食い違うことを織り込んでいます。その「誰かの連絡」がどんな形で行われているのか、私たちにはまったく見えていません。
検査で不良が見つかったとき、部品や製品はどうなりますか?
上のとおり、システムの在庫数はこの動きを自動では追いかけません。隔離する場所、手直しする担当、廃棄の判断、在庫を直す連絡先を、できれば手順の順番で教えてください。
得意先からクレームが来たとき、どこに・どうやって記録していますか?
「クレーム」に相当する記録は、私たちが確認した限りAS/400側に一切ありません。クレーム報告書のような書式があるのか、得意先ごとにフォーマットが違うのか、社内でどう回覧されるのかを知りたいです。
- クレーム報告書(紙/Excel)に記録している(様式名: )
- 得意先ごとに指定の書式がある
- メールや口頭で共有するだけで、決まった記録様式はない
- 上のどれでもない
新システムにクレーム記録・追跡の機能を持たせるべきかが決まります。
「完成ストア入庫前検査」という様式ファイルを見つけました。これは今も使っていますか?
出荷準備のExcelフォルダの中に「完成ストア入庫前検査/A-様式.xls」というチェックリストがありました。AS/400とは一切連携していない、完全に独立したExcelファイルです。同じフォルダには「表面処理準備作業/B-様式.xls」というチェックリストもあります。
- 今も毎回使っている
- 昔は使っていたが、今は違うやり方をしている
- 見たことがない・品質課のものではない
- 上のどれでもない
品質課で日常的に使っているExcelファイルを、思いつくだけ挙げてください
ファイル名・置き場所・誰が作っているかを教えてください。「検査記録表」のような一般的な言葉だけだと私たちが特定できないので、できるだけ具体的にお願いします。出荷まわりの調査では、納品書は得意先ごとに指定の様式(デンソー機工・ヒサダ・浅賀井製作所・アイシン機工など)が別々にあることが分かっています。検査成績書についても得意先ごとに様式が違うのかも、分かる範囲で教えてください。
5. こうだったらいいのに
品質課については特に、AS/400に「無かった」機能をゼロから設計することになります。今の紙・Excelでの不便を我慢する必要はありません。
品質課の仕事で、一番手間がかかっている・面倒だと思っていることは何ですか?
次のうち、あったら助かるものはありますか?
品質課には既存のAS/400機能が実質無いので、他社の生産管理・品質管理システムで一般的な機能を並べました。要る・要らないを教えてください。
- 写真つきで不良の状態を記録できる
- タブレットやスマホでその場で検査結果を入力できる
- 出荷実績をバーコード・QRコードで読み取れる(支給品QRのように手入力を減らせる)
- 得意先ごとに検査成績書・クレーム報告書の様式を自動で出し分けられる
- どの受注・どのロットの品物か、後から検索して追跡できる(トレーサビリティ)
- 不良の件数・傾向をグラフで自動集計してくれる
- クレームの対応状況(受付→原因調査→回答)を追跡できる
- 上のどれよりも先に直してほしいことがある( )
逆に、今のやり方(紙・Excel含む)で「これは絶対に変えないでほしい」ものはありますか?
新システムを作る側は「システム化=良いこと」と考えがちですが、紙だからこそ現場で素早く回せている部分があるかもしれません。失われると困るものを先に知っておきたいです。