タカハシサーモセンサー 受注→請求システム — デモの準備が整いました
温度センサー・熱電対メーカーの 株式会社タカハシサーモセンサー 向けに、紙ベースの受注業務をデジタル化する業務システムを開発し、デモの準備が整いました。実際の帳票を再現したデモデータ入りで、下記アカウントからどなたでも操作を試せます。
現状: アプリケーションとしては動作する状態(デモ可能)ですが、お客様による受け入れテスト(UAT)はこれからです。本番公開・本番運用ではなく、デモ・確認の段階とお考えください。
- URL: https://takahashi.fab-forward.co.jp
- かんたん説明書 (実画面スクリーンショット付き・低 IT リテラシー前提): ログイン後ナビの「📖 説明書」
6/19〜6/21 の追加: 受注→請求の流れに加え、在庫管理・実地棚卸・経営の見える化 を実装し、上記デモ URL に反映済みです(下記「今週の追加」を参照)。
6/22 レビュー会議: 営業の皆さんに試作品を実際に触っていただく初回レビューを実施しました。出た要望と次に着手する項目を下記「レビュー会議のフィードバック」にまとめています。次回打ち合わせは 7/22(水) 9:00。
背景 — 現場ヒアリングで見えた課題
6/12 に現地で営業・検査・事務の皆さんにヒアリングを実施しました。浮かび上がったのは「同じ情報を何度も手書きする」業務構造です。
- 受注のたびに 複写式 5〜6 枚綴りの受注票 へ 13〜14 桁の型式を手書き(月 300〜500 枚、腱鞘炎になるレベル)
- 出荷したら 商品台帳へ手書きで転記、納品書は 客先の注文書の言い回しに翻訳しながら手書き
- 売掛金元帳も手書きで残高計算。過去案件は紙の山から探す(「5 年前のやつ」は実質発掘作業)
- 図面は共有フォルダにあるが現場から検索できず、紙の図面は「神隠し」に遭う
解決 — 「1 回入力すれば、あとは全部システムが書く」
受注を 1 回入力すると、ジョブ番号(例: 26-S-0001)が自動採番され、以降の帳票・台帳・請求がすべてそこから自動生成されます。


帳票 5 種をボタン 1 つで PDF 出力
受注書 / 製造伝票(現場用・金額なし・図番強調) / 作業指示書 / 現品票 / 納品書。これまで複写式で書いていた紙がそのまま出ます。

納品書は「客先の言い方」に自動翻訳
得意先ごとに表記変換(社内型式 ⇔ 客先品名・品番)を登録しておくと、納品書はお客様の注文書の言葉で印字されます。例: 社内「金型-Css-12」→ 客先「分割コネクター Css 金型 (YZK7649169)」。

商品台帳 — 転記ゼロ・「型式の頭」でパッと検索
出荷した品物は自動で台帳に載ります。営業の実際の検索パターン「客先 × 何年何月 × 型式の頭(T-7 など)」をそのまま再現しました。

締日別の請求書と売掛元帳
15 日締・20 日締・25 日締・末締を自動判定し、一括サマリ+個別明細が 1 枚になった請求書を発行。発行と同時に売掛元帳へ売上・消費税が自動記帳され、入金・手形・相殺だけ入力すれば差引残高は自動計算です。


今週の追加(6/19〜6/21)— 在庫管理・実地棚卸・経営の見える化
デモ準備が整った受注→請求の流れに続き、今週は 「部品在庫」「棚卸」「経営の見える化」 の 3 つを実装し、同じデモ URL に反映しました。いずれも将来の上場(IPO)準備で監査法人から求められる「在庫を数字で説明できる状態」を見据えたものです。
在庫管理 — 在庫金額が自動で計算される(移動平均法)
部品の入庫・出庫・在庫調整を記録すると、移動平均法で在庫金額と平均単価が自動計算されます。これまで手計算・Excel に頼っていた在庫評価が、伝票を入れるだけで常に最新になります。お預かりした実際の棚卸表(576 品目・在庫総額 ¥51,976,664)をそのまま取り込み済みで、本物のデータで確認できます。

内部統制への配慮として、現場(出庫担当)には金額を見せず数量だけ を表示し、金額は経理だけが扱えるよう役割で分けています。
実地棚卸 — 「数える量」を在庫金額で賢く絞る(ABC 重点棚卸)
年に一度の棚卸(実地計数)も流れに組み込みました。経理がセッションを作成 → 現場が分類ごとに数える(数え取り用紙 PDF を印刷可)→ 経理が差異を確定、という実際の役割分担をそのまま再現しています。確定すると差異が在庫に自動で反映され、差異報告書 PDF も出力できます。
ポイントは ABC 重点棚卸 です。全 576 品目を在庫金額の大きい順に A(上位・金額の約 7 割)/ B(約 9 割まで)/ C に分け、棚卸のたびに「全数(576 品)」「標準(A+B=276 品)」「重点だけ(A=114 品)」から選べます。金額の小さい大多数を毎回数える手間を省き、価値の大きい少数に集中 できるので、現場の負担を大きく減らせます。8 月末の棚卸での実戦投入を想定しています。
経営の見える化 — 誰が・何を・いつ、を自動で記録
システム上の業務(受注・納品・請求・入出庫など)を すべて自動で記録する「業務イベント台帳」 を追加しました。これにより「先月の請求は何件・いくらか」「在庫はどう動いたか」を、画面のダッシュボードや日次サマリでいつでも把握できます。手で集計しなくても、経営判断に必要な数字が取り出せる土台です。

品質と使いやすさの底上げ
- ペルソナ別の作り込み: 経理・現場それぞれの視点で使い勝手を点検し、役割に応じたホーム画面・金額の出し分け・倉庫で指でも押しやすい数え取り画面などに改善しました。
- ブランド/デザインの統一: 画面全体の色・文字・状態表示を 1 つのデザイン基準(デザインシステム)に揃え、受注・請求・棚卸の状態が色つきのラベルでひと目で分かるようにしました。
- 見えない品質: コードの保守性を 8 つの観点(設計・型・エラー処理・テスト 等)で自動点検する仕組みを整え、長く安心して育てられる土台を作っています。
レビュー会議のフィードバック(6/22)— 営業が実際に触って見えた「あと一歩」
6/22、営業(柴さん・木曽さん)と紀藤部長に試作品を初めて操作いただきました。完成品ではなく 「使いながら毎日のやり方に合わせて育てる」 前提で、気になった点をその場でどんどん挙げてもらう会です。出てきた声はそのまま「次に作るもの」になります。多くは「これができたら現場で使える」という具体的な要望で、下記の通り着手します。
帳票まわり — 「現場が使える紙」に寄せる
- A5 ミシン目用紙への対応: 作業者にはご年配の方も多く、小さい品物には A4 は大きすぎます。1 枚を真ん中で切り分けられる A5 ミシン目用紙 で出せるようにします(今お使いの用紙そのまま)。用紙サイズはシステム側で自由に切り替えられます。
- 1 受注で複数品目のページ送り: 1 つの注文で 10 品作るようなケースでも、行番号付きで自動的に次ページへ送り、必要枚数を出し分けます。
- 「見せたい人に、見せたい内容」: 受注書・製造伝票・作業指示書は同じ受注情報から生成しつつ、行ごとのコメントや備考を 営業向け/現場向け/経理向け に出し分けられるようにします。形式の一番上の表記は納品書へ、細かい作業指示は社内帳票だけ、という設計です。
受注入力 — 「選んだら、あとは出てくる」を徹底
- 得意先を選んだら情報が自動で出る: 客先を選択した時点で、その客先の客先品名・客先型式・送り先などが自動表示・更新されるようにします。マスター未登録でも、受付時にその場で追加できるようにします。
- 形式欄の縦長レイアウト化: 客先型式はかなり長く(平和さんの例で 2〜3 行)、1 行枠では確認しづらいため、画面を縦長にして 形式欄の横幅・高さを拡張 します(品名は見えれば十分なので圧縮)。確認時はトップアップで元記録を呼び出せるようにします。
納品書 — 「客先の言い方」を確実に、ミスなく
- 社内型式は台帳にそのまま残しつつ、納品書のみ客先表記 で発行する方針を確定。営業が受注時に社内形式と客先形式の両方を入力する運用を基本とし、マスターに無い場合に備えて 客先形式欄の自由記載 にも対応します(台帳の検索性を守るため、社内形式は常に保持)。
経営に効く見える化 — 受注額・粗利・製品種別
- 受注額・粗利の表示: 受注一覧で受注額が分かるようにし、登録原価から粗利を確認できるようにします。
- 製品種別ごとの受注集計: 用途センサー=Y、手術別年数=T、不法抵抗体=R などのタグでカテゴリ分けし、製品種別ごとの受注金額 を集計できるようにします。
請求書 — ジョブ番号・一括請求・入金管理
- ジョブ番号を客先向けにも表示(問い合わせ照合に使える)、一括請求(複数ジョブを束ねた請求)、そして 「発行済み」「入金済み」のステータス切替 に対応します。入金管理の詳細要件は、当日ご欠席だった関さんから改めて伺います。
図面連携・台帳 OCR — 検証から着手
- Z ドライブ図面連携: 図面は JWCAD で参照する共有フォルダ(Z)にあり、命名規則(年月+下 2 桁+作成者)も統一済みとのこと。システムから直接は参照できないため、フォルダ構成・命名規則を共有いただき、定期バッチで取り込み → 図番・部分一致で検索 → 品名/形式に反映 する方式を検討します。
- 手書き台帳の OCR 取り込み(トライ): まず 10 枚ほどスキャンを送っていただき、読取り精度と費用感(1 枚あたり約 7,000 円目安)を実証します。一覧から クリックで元スキャン画像の該当箇所へジャンプ、読取り精度の高いアルファベット型式で検索 → 手書き原本で最終確認、という 2 段階運用を想定しています。
- Y 品番マスターの自動展開: 梅徳(ウメトク)さん向けの最新 Y 品番表をお送りいただき、AI で読み込んで品番・単価マスターへ一括登録します。単価改定時は同一形式で上書き更新します。
進め方の決定事項
- まず実運用しながら、随時フィードバック: カタログ品中心の柴さんから試用開始。気づいた点はいつでも送っていただき、即反映していく短サイクルで進めます。
- 次回打ち合わせ: 2026 年 7 月 22 日(水) 9:00。1 か月運用した手応えを持ち寄ります。
- タカハシ様からの共有事項(宿題): ① Z ドライブの図面フォルダ構成・命名規則、② 客先マスター(客先品名・客先型式)、③ 最新 Y 品番表、④ 入金・ジョブ番号管理の要件(関さん)、⑤ OCR 試行用の台帳スキャン数枚。
デモアカウント
デモデータは ヒアリング時にお預かりした実帳票(注文書・受注書・売掛金元帳)を再現したものです。役割によって見える画面・押せるボタンが変わるので、ぜひ複数アカウントで見比べてください。
| ログインID | パスワード | 役割 | デモで試せること |
|---|
shiba | uxM5lgKY2lrD | 営業 | 受注入力 → ジョブ番号採番 → 帳票 PDF、台帳検索 |
kito | LZN-UdOQWZd_ | 営業 | 同上(オーダー品・外注メモ付き案件あり) |
iwamuro | pOTTN7wOTiiN | 検査 | 検査待ち案件へのシリアル番号付与 → 現品票 |
yoshida | -nKicnqvVwDD | 事務 | 納品 → 納品書、請求書作成・発行、売掛元帳 |
yagitani | VwqvM0JVJeBq | 管理 | ユーザー管理、客先表記の登録、全操作 |
admin | PccX5xJaaIRA | 管理 | 同上(システム管理用) |
⚠️ 上記はデモ期間中の初期パスワードです。タカハシ様の実データ投入前に全アカウントのパスワードを変更します(管理画面からその場で変更可能)。
おすすめデモコース (5 分)
shiba でログイン → 台帳 → 検索欄に T-7 → 手書き台帳の置き換えを体感
- 受注 → 受注入力 → 得意先「豊田マシナリー」+ カタログ品を選んで保存 → 番号が自動で出る
- ジョブ詳細の 納品書 PDF → ウメトク様の案件(
POS0051078887 で検索)だと客先表記に変わるのが分かります
yoshida に切り替え → 請求 → 請求書 #1 を開いて PDF → 得意先 → イリエ → 売掛元帳 で手形・相殺・残高
技術メモ
- FastAPI + HTMX + Jinja2 + WeasyPrint + PostgreSQL(uv / Docker)。ff-03 で稼働、共有 Caddy 配下
- 帳票は HTML+CSS → PDF(WeasyPrint)。日本語フォント同梱で 13〜14 桁型式の折返しも制御
- フロント診断 shim(操作ブレッドクラム・エラー時 DOM スナップショット)+
/api/debug/* でリモート診断可能
- 実装は tech-debt-cleaner(PLAN.json + impl)駆動: 強モデルが基盤+見本パターンを組み、安価モデルが小さなタスクを検証ゲート付きで多数実装
- リポジトリ:
RyosukeMondo/takahashi-sys(private)/ 仕様は docs/SPEC.md・docs/ARCHITECTURE.md
今後 (フェーズ 2 候補)
客先注文書の AI 読取り(注文書を撮ると受注入力が下書きされる)、入金消込(銀行入金と売掛の自動照合)。
在庫管理・実地棚卸(移動平均法・IPO 要件・8 月末棚卸)は当初フェーズ 2 候補でしたが、前倒しで実装し本デモに反映済みです(上記「今週の追加」)。
図面ファイル連携(Z ドライブ取り込み)・過去帳票の OCR 検索も当初フェーズ 2 候補でしたが、6/22 レビューを受けて 検証から着手 します(上記「レビュー会議のフィードバック」)。