承認ワークフローシステム — シャチハタ卒業、電帳法対応の自社基盤へ

アネブル/ENA の「ハンコ・紙・別紙」でまわしている承認業務を、止めずに・なくさず・改ざんされずに 進めるために、Fab Forward では 自社の承認ワークフローシステム をつくっています。先行する各システムと同じ考え方——「1 つの基盤で、会社ごとの様式にあわせて使える」——を、決裁・稟議・各種申請の分野に広げるものです。

ひと言でいうと、こうです。

紙とハンコでやっていた申請・承認を、画面の中で。決裁が下りたら振込依頼まで自動で起こし、原本は 7 年、改ざんできない形で残す。

紙とハンコの山が、画面の中のきれいな承認フローへ移っていくイメージ

本資料はプロジェクト報告です。経営会議でのご確認を目的に、技術用語をできるだけ避けてまとめています。柱は 4 つ——①聞いたこと ②調べたこと ③つくる中身 ④どこまで来たか——の順にご説明します。開発できる範囲はすでに完成し、本番サーバーで動いています実際に触ってみる(デモ環境・ログイン)


なぜ、いま必要なのか

きっかけは、現在つかっている承認サービス(シャチハタクラウド/旧親会社の X-Point)が使えなくなることです。

X-Point は 10 月 1 日で使用禁止。 それまでに、自社で持てる承認の仕組みへ移らなければなりません。

しかも単に置き換えるだけでなく、電子帳簿保存法(電帳法) への対応——「電子で受け取った書類は、決められたルールで電子のまま保存する」——も同時に満たす必要があります。期限のある、待ったなしの課題 です。


① 聞いたこと — 現場ヒアリング(6/19)

アネブル/ENA の実務担当の方々に、いまの承認業務の困りごとを直接うかがいました(2026 年 6 月 19 日)。出てきた「困りごと」はとても具体的でした。

紙の申請でいま起きている困りごと — 差し戻しのやり直し、書類の紛失、番号がない

いまの困りごとなぜ困るか
差し戻されると、最初からやり直し直してもらおうと突き返すと「別の申請」として作り直しになり、元の番号とつながらない。ここが一番の痛み。
保存期間が短く、過去が探せない1 年ほどで消え、決裁番号も振られないため、後から追えない。電帳法にも足りない。
必須項目の抜け漏れ自由に書ける様式なので、項目が埋まっていないまま回ってきて差し戻しが増える。
「別紙」運用の手間決裁書とは別に振込依頼書を毎回つくり直している(小田木さんご要望)。
Excel の書式崩れ・画像が貼れない添付すると関数や体裁が崩れる。画像の添付ができない。

この声から決めた「外せない条件」(★)


② 調べたこと — 既製品と社内アンケート

「買えば済むのでは?」をきちんと確かめました。既製の承認サービスを調べ、社内アンケート(49 名・3〜4 月)で「本当に欲しい機能」を順位づけしました。

既製品の比較と社内アンケートで、欲しい機能を見きわめる様子

社内アンケートで欲しいとされた機能(上位順)

順位欲しい機能希望の強さ
1検索・履歴管理(キーワード/期間/種別で過去を探す)ほぼ全員
2進捗の見える化・通知(いまどこで止まっているか)9 割超
3修正・差し戻しのしやすさ8 割超
4分かりやすい画面(説明なしで使える)8 割
5ルート・様式の自動化(毎回手で設定しない)7 割
6印影(押印枠) ——「あった方がいい」約 48%

「買う」ではなく「自社でつくる」と決めた理由

既製品では難しかった点自社化で解けること
差し戻しが「別申請」になり番号がつながらない同じ書類・同じ番号のまま 直せる仕組みにできる
決裁と振込依頼が別管理決裁 → 振込依頼を 自動でつなげる(ENA 固有の流れ)
親会社システムの 10/1 廃止に間に合わない9 月運用開始 にあわせて、必要な分から段階的に出せる
電帳法対応・保存ルールが製品任せ保存期間・改ざん防止を 自分たちの基準 で持てる

③ つくる中身 — 実装する仕様

承認の「心臓部」(エンジン)

どんな様式・どんなルートでも、この 1 つの基盤で扱えるようにしています。

できること中身
直列・合議・条件分岐順番に回す/複数人の同意(AND・OR)/金額で分岐(例:20 万以上は社長、未満は部長)
回覧(通知だけ)承認は不要だが見ておいてほしい人へ
差し戻し(最重要)同じ書類・同じ番号のまま 差し戻し → 直して再申請。コメントも残る
取消申請者が途中で取り下げられる
自動採番ルートごとに決裁番号を自動で発番(後から探せる)

差し戻しても新しい書類にせず、同じ 1 枚が同じ番号のまま戻ってくるイメージ

決裁 → 振込依頼の「自動起票」と、長期保存

決裁が下りると振込依頼が自動でできあがり、金庫に安全に保管されるイメージ

24 様式を、3 つの波で展開

実際の決裁書・稟議書・各種申請書(全 24 様式)を、業務インパクトの大きい順に段階展開します。

段取り — まず「アプリの中」で動かし、つなぎ込みは後追い

9 月の日程を 社外の調整待ちでブロックしない よう、二段構えにします。

項目9 月トライアル時点後追い(運用後)
ログインアプリ内ログイン(M365 の名簿を取り込み)Microsoft 365 のシングルサインオン
ファイル保存アプリ内の電帳法対応ストレージSharePoint へ切替(差込口の差し替えだけ)

④ どこまで来たか — 進捗

開発できる範囲は「ほぼ完成」、すでに本番サーバーで動いています

承認の心臓部だけでなく、実際の様式・電帳法・振込連携・印影・通知・検索まで、開発できる範囲はひと通り完成し、テストも通っています。すでに本番サーバー(ff-02)にデプロイ済みで、下記のデモ URL から実際に触れます。

工程の状況(6 月 → 9 月)

工程中身状態
R0実組織マスター(小田木・平川・山内・清水・大嶋・長谷川+各役職)・ログイン基盤✅ 完成・検証済み
R1ファイル/画像添付・電帳法ストレージ(原本+指紋+削除不可+7 年)✅ 完成・検証済み
R2振込依頼の様式・決裁→振込の自動起票・印影✅ 完成・検証済み
R324 様式すべてを実レイアウトで展開(#24 稟議書を新規作成)✅ 完成・検証済み
R4メール通知(承認・差し戻し・滞留)・検索/履歴✅ 完成・検証済み
R5本番デプロイ・バックアップ・受入テスト(UAT)・利用者教育🔄 最終工程(実名簿・UAT 待ち)

段取りの鍵 — まず強力なモデルで「土台+検証ゲート」を手組みし、様式やルートの量産は自動化ループで回しました。「バンドエイドな直しはしない・検証してから出す」 を徹底しています。


実際に触ってみる — デモ環境

完成した範囲は、いまこのアドレスから実際に操作できます。役割(受付・承認・決裁・閲覧)によって見える画面・押せるボタンが変わるので、複数アカウントで見比べてください。

ログイン ID(メール)パスワード役割デモで見えること
applicant@ena.example.jppassword申請者(テスト)新規申請の起案 → 承認の進み具合、差し戻し後の 同じ番号での再申請
odagi@ena.example.jppassword受付・総務人事部長(小田木)多くの申請の 受付差し戻し、総務系の最終決裁
president@ena.example.jppassword社長20 万以上の決裁書・稟議の 最終決裁振込依頼の自動起票
honbu-kanri@ena.example.jppassword管理本部長承認 2(本部長承認)
director@ena.example.jppassword取締役リース・固定資産・取引登録の決裁
hirakawa@ena.example.jppasswordシステム G 長(平川)システム関連申請の承認
yamauchi@ena.example.jppassword経理・閲覧(山内)決裁書の閲覧、検索・履歴

⚠️ 上記はデモ期間中の仮パスワードです。実社員名簿の取り込み・本番運用の前に、全アカウントのパスワードを変更します。メールのドメイン(@ena.example.jp)も仮のもので、Microsoft 365 の名簿を取り込んだ時点で実際のものに置き換わります。

おすすめデモコース(5 分)

  1. applicant でログイン → 新規申請(ENA 決裁書 20 万以上)を 起案 → 承認の流れが図で見える
  2. odagi に切り替え → 受付で 差し戻し(コメント付き)→ もう一度 applicant同じ番号のまま 直して再申請(※最重要の差別化)
  3. 承認を進め、president最終決裁振込依頼書が自動でできあがる のを確認
  4. yamauchi検索・履歴 から過去の申請を種別・期間で探す

6/26(金)クライアント確認会 — 「最終確認」の位置づけ

当初 6/26 は「開発を止めている項目(実様式のレイアウト等)を確定する場」でしたが、原本を先行受領して実装を済ませたため、いまや 運用に向けた最終確認の場 になりました。残る確認事項は、人手・社外調整に依存するものだけです。

#ねらいいまの状況
AX-Point 廃止(10/1)までに移行開発できる範囲は完成・本番稼働中。9 月トライアルへ最終工程
B差し戻し=同一番号・別紙廃止 という現場の要望完成・検証済み(上のデモで体験できます)
C電帳法(7 年・改ざん不可)完成・検証済み(保存期間 7 年で本番固定)
D実様式・特別決裁の振込連携完成・検証済み(24 様式+#24 稟議+#22 特別決裁の自動起票)
E6/26 でお願いしたいこと全社員名簿(M365 エクスポート)・実ドメイン・SSO/SharePoint の穴開け時期

本資料はプロジェクト報告です(更新 2026/6/22)。技術的な詳細(仕様書・テスト・組織マスター・様式定義・6/26 Q&A 台帳)は社内資料(approval-sys リポジトリ docs/)に整理済みです。画像はイメージ(AI 生成)。